3月29日(日本時間30日)、米・ラスベガス、フォンテインブルーで開催されたトップランク興行。WBO世界ウェルター級タイトルマッチ。王者ブライアン・ノーマンJr(米)=26勝(20KO)無敗2NC=に、同級13位デレク・クエバス(プエルトリコ)=27勝(19KO)1敗1分=が挑んだ。

両選手は昨年11月8日(日本時間9日)に米・バージニア州ノーフォークのスコープ・アリーナで対戦が決まっていたが、ノーマンJrの左拳の負傷により延期されていた。クエバスは2023年12月1日(日本時間2日)にパナマシティで戦って以来のリングとなったが、パナマでの3試合を含め4連続KO勝利中。

初回、ジャブを放ち距離を詰めるノーマンJrにクエバスは左フックを強振。ノーマンJrの顎をかすめると王者は右ガードを高く上げ警戒。クエバスの左に用心しつつ攻め込んだ。

2回、王者の左フックが決まると、挑戦者はバランスを崩し後方へよろけた。

クエバスの左は強かったが、ノーマンJrは攻勢を仕掛け右をヒット。

第3ラウンド、ノーマンJrの左フックがクリーンヒット。

続く右から左ストレートがクエバスを襲うと、後方へはじけ飛ぶようにダウン。

すぐに立ったクエバスはトーマス・テイラー(米)主審のカウントを聞く。

自らのコーナーへ歩み寄ったクエバスは目を気にするそぶりを見せ、テイラー主審のカウントが進んでも戦意を見せず、試合はストップ。

TKOタイム3回2分59秒。

WBO立会人はマイケル・パーニック(米)。

リングサイドでは日本人選手初の世界ウェルター級王座奪取が期待される、WBO世界ウェルター級2位、WBA、WBC、IBF4位にランクされる佐々木 尽 (八王子中屋)=19勝(17KO)1敗1分=選手が、中屋一生会長と観戦。試合後、ノーマンJrを祝福した佐々木選手は、日本から用意して来た挑戦状を王者の横で読み上げ、今夏にも対戦を実現させたいとアピール。

これに対しノーマンJrは、「ダメージがあるように見えるかい?。明日には準備ができる。日本のファンは素晴らしいと聞いている。待ちきれないよ」と、日本での対戦に含みを持たせた。

初防衛に成功したノーマンJrは、佐々木選手との対戦に含みを持たせたが、4月12日(日本時間13日)に米・ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールで開催される、IBF世界ウェルター級王者ジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=33勝(29KO)無敗1NC=と、WBA世界同級王者エイマンタス・スタニオニス(リトアニア)=15勝(9KO)無敗1NC=による王座統一戦勝者との対戦にも興味を示している。

また、WBC世界同級王者マリオ・バリオス(米)=29勝(18KO)2敗1分=との王座統一戦の可能性。WBO1位のアレクシス・ロチャ(米)=25勝(16KO)2敗1分=との指名戦義務も控える。しかし、初防衛戦がノーダメージで終わった事もあり、プロモート契約を結ぶトップランクが、次戦でどんなマッチアップをするかが注目される。