6月27日(日本時間28日)、米・カンザス州ウィチタのチャールズ・コッホ・アリーナで開催れた、”LEGACY RELOADED”のメインイベント。元WBC世界ヘビー級王者で、現在12位にランクされるデオンテイ・ワイルダー(米)=43勝(42KO)4敗1分=と、ティレル・ハーンドン(米)=24勝(15KO)5敗=の10回戦は、ワイルダーが7回2分16秒TKO勝ち。
初回、長身のワイルダーはプレスを掛け、ジャブでハーンドンを追い、右ストレートを打ち込む機会を伺うが深追いはしない。2回もワイルダーはジャブを多用。時折右を打ち込むが届かない。終盤、ワイルダーの左フックでハーンドンはバランスを崩しダウン。しかし、ダメージはない。
3回、これまででィフェンス一方だったハーンドンが少し打ち気に出るが長くは続かない。ワイルダーはジャブで追うが右は正確性を欠く。

4回、ハーンドンの左フックがワイルダーに届く。しかし、終了間際、ワイルダーはワン・ツーから左フックでハーンドンに迫った。5回、ワイルダーは左手を伸ばし、右を打ち込むがスピードに欠け、逃げるハーンドンには届かない。終盤、ハーンドンはワン・ツーを打ち込み、右フックをヒット。
6回、ようやくワイルダーの右が決まりハーンドンはよろめく。一気に連打で攻勢に出たワイルダーが右ストレートを決めると、ハーンドンはしゃがみ込むようにダウン。カウント9で再開に応じたハーンドンにワイルダーは襲い掛かったが、詰め切る事は出来ない。
7回、ワイルダーはハーンドンを追い、荒々しい連打。これまでもっぱら足を使い、下がるだけのディフェンシブなボクシングを展開して来たハーンドンに、大きなダメージは感じられないが、ワイルダーの左フック、右ストレートで大きく後退すると、レイ・コロナ(米)主審は試合をストップ。

限界説もささやかれたワイルダーが連敗から脱出。約2年8ヶ月ぶりの勝利を挙げたが、パンチのスピード、迫力は往年の面影はなく、世界クラスの相手と比べ、明らかに力が落ち、パンチを交わすことに専念するかのような戦いぶりのハーンドンに対し、ドンピシャの一発を打ち込む事は出来なかった。
39歳のワイルダーは、「僕は長い間、休養していた。長い道のりだったけど、リングに戻れてうれしいよ。みんなが本当に見たかったものを見せられなかったのは分かっているけど、これからどんどん良くなっていくよ」と先を見据えた。
ネームバリューがあるワイルダーだけに対戦相手候補は多数。一気にトップレベルとの対戦を目指すのか、イージーファイトを重ね、さらに自信を取り戻していくのか。今後に注目。