WBA世界ウェルター級挑戦者決定10回戦。WBC世界ウェルター級4位、WBA5位、IBF9位、WBO15位ラウル・クリエル(メキシコ)=15勝(13KO)無敗1分=と、WBA世界同級11位ビクトル・エセキエル・ロドリゲス(ウルグアイ)=16勝(9KO)無敗1分=の一戦は、クリエルが4回2分9秒KO勝ち。

Raul Curiel

初回、プレスを掛けるクリエルに対し、ロドリゲスも引かず、両者は接近戦でパンチを交換。打撃戦の様相を呈する。2回、パワー十分の左右フックを振り押し込んで来るロドリゲスに対し、クリエルは左右ボディから左右アッパーを突きあげた。

3回、ロドリゲスは前進し左フックを叩き付け、右アッパー。クリエルはいなしながら左ボディ、左右アッパー。4回、クリエルの左フックから右アッパーが決まると、ロドリゲスはダウン。立ち上がり再開に応じたロドリゲスだが、クリエルはすかさず追撃。

ロドリゲスは右目にダメージを負ったようなしぐさを見せ後退。クリエルが連打で追うと試合はストップされた。クリエルの右アッパーが直撃したロドリゲスの右目下は腫れあがり、出血も見られ、大きなダメージを被っていた。

WBC・USAウェルター級王座&WBA米大陸同級王座決定10回戦。WBC・USA王者アビウス・グリフィン(米)=17戦全勝(16KO)=に、挑戦者ジュリアン・ロドリゲス(米)=23勝(14KO)1敗=が挑んだ一戦は、ロドリゲスが10回2分55秒KO勝ちで王座奪取。

Julian Rodriguez

初回、ロドリゲスはジャブから右ボディストレートを放ち飛び込む。グリフィンはジャブから右ストレートを狙うが、アクションは少ない。2回、グリフィンはジャブ、時折放つ右は届かない。ロドリゲスはジャブから右ボディストレートを打ち込み、右フックをヒット。

3回、グリフィンがジャブからシャープなワン・ツー・スリーを放つ。どっしり構えるロドリゲスは右ボディストレートから左右フックを狙う。4回、グリフィンはジャブを放ち、タイミングを計りながらロドリゲスの出ばなに右強打を狙う。

5回、両者、中間距離で探り合う。グリフィンのシャープなパンチをかいくぐり、接近するとロドリゲスは思い切って左右フック。6回、ロドリゲスは低い位置からジャブを突きあげ、左フック、右ストレート。グリフィンは思いのほか手が出ない。

7回、ロドリゲスの右ボディから左フックがヒット。グリフィンも右ストレート、左フックでロドリゲスに迫るが、正確性はいま一つ。8回、開始からグリフィンが出る。荒々しいアタックから、力づくの右を打ち込むとロドリゲスはダウン。再開後、フィニッシュを狙ったグリフィンだが、ロドリゲスは耐え、終盤は反撃の姿勢を見せた。

9回、右強打を狙うグリフィンの隙をつき、ロドリゲスの左フック、右ストレートが決まり、グリフィンは腰を落とす。終盤、左右強打でロドリゲスに迫ったが、強打は空転。

Julian Rodriguez vs. Avious Griffin

最終ラウンド。タイミングの探り合いからグリフィンはワン・ツー。ロドリゲスは左フックを狙う。残り30秒を切った所でロドリゲスの左フックが決まると、グリフィンは足をばたつかせ大きく後退し、追撃の左フック受けるとキャンバスへ落下。何とか立ち上がろうとしたが、足は言う事をきかず試合はストップ。

2021年6月、元世界2階級王者ホセ・ペドラザ(プエルトリコ)に8回TKO負けを喫したロドリゲスは、トップランクとの契約も切れ、以後2戦しかしておらず、グリフィン戦は賭け率1:9で不利とされていた。しかし、「この試合に全てを賭ける」との言葉通リの見事なファイトだった。