12月27日、サウジアラビア・リヤドのモハメド・アブドゥー・アリーナで開催された、「The Ring V: Night of the Samurai」のセミファイナル。WBA、WBC、WBO世界スーパーバンタム級1位、IBF3位(1、2位は空位)中谷潤人(M・T)=31戦全勝(24KO)=選手と、WBC世界同級9位、WBO10位、IBF12位セバスチャン・“ローガン”・エルナンデス(メキシコ)=20戦全勝(18KO)=の12回戦は、中谷選手が判定勝ち。
初回、サウスポーの中谷選手はガードを高く上げ上体を振りタイミングを探るエルナンデスに対し、低く構えジャブを放ち、左ストレート、アッパーを打ち込み付け入る隙を与えない。2回、前に出るエルナンデスだが、サイドに動く中谷選手に対しなかなか手が出ず、中谷選手の左アッパーが上下にタイミング良く決る。
3回、接近戦で打ち合うシーンもあったが、中谷選手は距離を取り左右アッパーをヒット。4回、接近戦。エルナンデスは正面からの打ち合いでは手が出るが、中谷選手は巧みに頭の位置を変え、ボディ攻めから左右アッパーを突きあげサイドへ動く。

5回、中谷選手は左ボディアッパーを決めるが、エルナンデスは構わず前進。ボディを打ち、手数を増やす。6回、接近戦での打ち合いに応じた中谷選手は、左ボディアッパーをヒット。エルナンデスの動きが一瞬止まりかけるが、再びしつこく手を出す。
7回、エルナンデスは前進。中谷選手は回り込みながら左アッパー、右フックを返すが、エルナンデスの手は止まらない。8回、接近戦を挑むエルナンデスは左右アッパー、ボディブローと豊富な手数で押し込む。中谷選手はまともには貰わず、左アッパーを上下にヒット。
9回、中谷選手のパンチを被弾しながらもエルナンデスは前に出る事を止めず、手数で攻め立てる。エルナンデスの左フック、右ストレートがヒット。10回、エルナンデスは前進。中谷選手は足を使いコツンとパンチを当ててはサイドへ動き、またポンと手を出す。しかし終盤、エルナンデスは距離を詰め連打で攻勢。

11回、中谷選手の右目上が腫れる。エルナンデスがパワーアップし仕掛ける。中谷選手も真っ向から打ち合いに応じ、左ボディアッパー、ストレートをヒットするが、エルナンデスの前進は止まらず左右アッパー連打で中谷選手に迫った。
最終ラウンド、エルナンデスの前進と手数は止まらない。中谷選手はサイドへ動きクリーンヒットを奪うが、エルナンデスは2倍、3倍の手数で中谷選手を追い立て試合終了ゴング。公式スコアは118-110、115-113、115-113。
中谷選手に勝敗にかかわるほどの危ういシーンはなかったが、エルナンデスのタフネスと手数は驚異的で、ともかくやりにくい選手で強かった。ファン、関係者の見方にもエルナンデスの勝利を推す声もある、厳しい戦いとなった。

ライト級10回戦。前日本ライト級王者の今永虎雅(大橋)=9戦全勝(5KO)=選手と、WBO世界スーパーフェザー級10位、WBA13位エリドソン・ガルシア(ドミニカ)=22勝(14KO)1敗=の一戦は、ガルシアが判定勝ち。
サウスポー同士の対戦。中盤から手数を増やし抜け出しかと思われた今永選手だが、8回、ガルシアの右フックがカウンターで決まりダウンを奪われる。残り時間はたっぷりあったが、今永選手はダメージを感じさせながらもこのラウンドを凌ぎ切った。
ラスト2回、今永選手は立て直しガルシアに迫ったが、ガルシアも左ストレートを決め譲らず試合終了ゴング。公式スコアは96-93、95-94ガルシアと、95-94今永選手のスプリット。
スーパーフェザー級6回戦。WBA世界フェザー級13位堤麗斗(志成)=3戦全勝(2KO)=選手と、レオバルド・キンタナ(メキシコ)=12勝(5KO)1敗=の一戦は、堤選手が4回左ショートから右フックを叩き付けキンタナからダウンを奪いTKO勝ち。
