11月9日(日本時間10日)、米・ペンシルべニア州フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターで開催された、マッチルーム・ボクシング興行の共同メイン、ファイナル・バウト。IBF世界ウェルター級タイトルマッチ。王者ジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=32勝(29KO)無敗1NC=に、同級1位の指名挑戦者カレン・チュハジアン(ウクライナ)=24勝(13KO)2敗=が挑んだ一戦は、エニスが判定勝ち。スコアは119-107、117-109、116-110。

初回、ジャブの差し合いからスタートしたが、エニスはすぐにサウスポーにスイッチ。しかし、チュハジアンは慌てず左フックをヒット。2回、スイッチを織り交ぜながら左右の強打を振るうエニスに対し、チュハジアンは左フック、右ストレートを打ち返す。3回、エニスは左ボディアッパー、ストレートを打ち込みチュハジアンをコーナーに詰める。

4回、エニスは速いジャブを突くが、その後につながらない。チュハジアンは右ストレートを差し込む。5回、エニスはパワーパンチを振り回し前進。左ストレートでぐらりとしたチュハジアンを追ったエニスは、右アッパーを決めダウンを奪う。

6回、プレスを掛けるエニスの強打は空転。チュハジアンは立て直す。7回、正面からくるエニスのパワフルなパンチに対し、チュハジアンは回り込んで右ストレート、左フック。8回、エニスの押し込んでの攻勢が続くが、ダメージング・ブローは打ち込めない。

9回、打って出るエニスだが強打は決まらず、揉み合うシーンが増える。10回、前に出るエニスは接近戦で左右フック、アッパーを打ち込み攻勢。チュハジアンはホールディングで減点1。11回、押し込むエニスだが、抵抗するチュハジアンの右アッパー、左フックを被弾。

最終ラウンド。強打を振り前に出るエニスに対し、チュハジアンも懸命の抵抗。最後までしぶとく喰い下がり、試合終了ゴング。両者は2023年1月7日(日本時間8日)に米・ワシントンDCのキャピタル・ワン・アリーナで、IBF世界同級暫定王座決定戦で対戦。エニスが120‐108×3の完勝を収めて以来の再戦だったが、今度もエニスはチュハジアンを仕留める事は出来ず、前戦以上の抵抗を許した。