5月6日、東京ドームで開催された、WBO世界バンタム級タイトルマッチ。王者ジェイソン・モロニー(オーストラリア)=27勝(19KO)2敗=に、同級5位武居由樹(大橋)=8戦全勝(8KO)=選手が挑んだ一戦は、武居選手が判定勝ちで新王者。スコアは117-110、116-111、116-111。
元K-1WORLD GPスーパーバンタム級王者からプロボクシングに転向した武居選手は、8連続KOの勢いを駆っての世界初挑戦。初回、独特の間合いを持つサウスポーの武居選手は左でボディを狙い、モロニーはガードを崩さず右カウンターを飛ばす。2回、初回から注意を受けてはいたが、武居選手の左がローブローで減点を取られる。しかし、武居選手は動じずに左ボディストレートを決めた。
3回、武居選手のロングレンジからの左ボディが効果的。モロニーは後手に回る。4回、モロニーが手数を増やし反攻。しかし、武居選手は右アッパーを決め、左ボディ、右フックをヒット。モロニーは鼻から出血。5回、武居選手は距離をキープし、左フック、ボディアッパー。モロニーはまだ攻め手を見出せない。
6回、武居選手はジャブからスタート。接近戦を挑むモロニーは前に出てきたが、ラウンド終盤、武居選手は強烈な右フックをヒット。7回、プレスを強めたモロニーを、武居選手は右アッパー、左ボディを決め止める。8回、モロニーの左フックがヒット。攻勢に出るモロニーに武居選手は大胆な右アッパー、左ボディで対抗。
9回、モロニーが出るが武居選手は足を止めずに強気で応戦。左を上下に散らし、右フックを打ち込み、手数でも上回る。10回、武居選手はジャブから左ストレート、右フックをヒット。左ボディも決め、モロニーの前進を止めた。
11回、武居選手は先手の攻めでモロニーの前進をストップ。試合の主導権を握ったまま最終ラウンドへ。12回に入っても武居選手のフットワークは止まらず、ロングレンジからの左ストレートを放つ。ラスト1分。モロニーは驚異の追い上げを見せ、武居選手を追い込み試合終了ゴング。武居選手がプロボクシングキャリア9戦目とは思えない、素晴らしい戦いで王座を獲得した。