WBO世界スーパーライト級王者テオフィモ・ロペス(米)=21勝(13KO)1敗=が、3階級制覇を目指し、IBF世界ウェルター級王者ジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=33勝(29KO)無敗1NC=に挑戦するプランが進行中である事が明らかになった。
トップランクのボブ・アラムは、エニスをプロモートするマッチルーム・ボクシングのエディ・ハーンと、すでに具体的な交渉に入っている事を示唆。試合は来年3月1日(日本時間2日)に米国内での開催が計画され、放映はESPNとDAZNによる共同PPVとなる。
WBC世界スーパーライト級休養王者デビン・ヘイニー(米)=31勝(15KO)無敗1NC=に対し行われた、ファイトマネー最低保証240万ドル(約3億5960万円)プラスPPV収入55/45%分配とするオファーを無視されたロペスは、12月7日(日本時間8日)に米・アリゾナ州グレンデールのデザート・ダイアモンド・アリーナで開催された、トップランク興行に姿を見せ、次戦の理想的ターゲットとしてエニスの名前を挙げていた。
ビッグファイトを希望するロペスは、ファイトマネーへの不満からトップランクからの離脱を図る動きもあるが、エニスの最近の報酬額を考えると、この対戦が実現すれば、ロペスに取ってキャリ最高のファイトマネーをもたらすことになるだろう。
昨年6月10日(日本時間11日)に米・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン・シアターで、ジョシュ・テイラー(英)=19勝(13KO)2敗=が保持していた、WBOスーパーライト級王座を攻略し、2階級制覇に成功したロペスは、2度の防衛に成功しているが、この2試合では見せ場を作ることが出来ず、ファン、関係者からの評価を大きく落としている。
一方のエニスも、来年2月22日(日本時間23日)にサウジアラビア・リヤドで開催される”リヤド・シーズン”で、、WBC世界スーパーウェルター級暫定王者バージル・オルティスJr(米)=21戦全勝(20KO)=と対戦する事が、決定直前まで行きながら、最終的にオルティスJrにウェルター級リミットで戦う事を強要し頓挫。
これはエディ・ハーンが、11月9日(日本時間10日)に米・ペンシルべニア州フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターで行われ、判定勝利を収めたカレン・チュハジアン(ウクライナ)=24勝(13KO)3敗=との防衛戦の戦いぶりから、不安を覚えた事によるとの見方もある。
そんなハーンにとって、トップランクからのロペス戦オファーは、渡りに船のように見える。エニスとは契約最終戦となるが、スーパーライト級で不本意な戦いが続いているロペスと、エニスがウェルター級で戦う事は優位に思えるし、興行的にも話題性がある。
これはトップランクにとっても同じで、アラムは「実現できると信じている」と断言。エニスは受けると思うが、最終的にロペス陣営がどう判断するかには、どうしても疑問が残る。今後に注目。