3月15日(日本時間3月16日)、英・リバプールのM&Sバンク・アリーナで開催された、クイーンズベリー・プロモーション興行のメインイベントで行われた、WBA世界フェザー級タイトルマッチ。王者ニック・ボール(英)=21勝(12KO)無敗1分=に、元IBF世界スーパーバンタム級王者で同級6位のTJ・ドヘニー(アイルランド)=26勝(20KO)5敗=が挑んだ一戦は、ボールが10回3分TKO勝ち。

初回、身長157センチのボールに対し、サウスポーのドヘニーも重心を低くし懐深く構え、入り込んで来るボールに左を合わせた。初回終了時、ボールがドヘニーの後ろから蹴りを入れ、ドヘニーが倒れ込むアクシデント。2回、ボールがギアを上げて出るが、ドヘニーは足を使いうまく回り込み、連打を許さない。

3回、ボールはジャブ、右ストレートでドヘニーの懐に入りこもうとするが、ドヘニーは足とジャブでいなし、巻き込むような左を伸ばす。終了間際ボールの左フックがドヘニーのテンプルに決まった。4回、ドヘニーは足とジャブでボールに攻勢を許さず、ロングレンジから左を上下にヒット。

5回、ドヘニーは慎重にボールの出鼻を抑え、連打を許さず、ジャブ、そして左を伸ばす。6回、足を使いうまく距離をキープするドヘニーに対し、手数を増やしたボールのワン・ツーがヒット。7回、得意の接近戦に持ち込めないボールはサウスポーへのスイッチも織り交ぜるが、ドヘニーは左ストレート、アッパーをカウンター。

8回、ボールのジャブ、右ストレートがドヘニーを捕らえる。連打こそ許さないドヘニーだが、ボールが仕掛ける時間が増えた。9回、近距離でボールがドヘニーを突き飛ばし減点1。ボールの飛び込みざまのジャブ、右ストレートがヒット。ドヘニーは左アッパーをカウンターで狙う。

10回、疲れが見えるドヘニーにボールが攻勢を強め接近戦で連打。ボールのしつこいアタックの前にドヘニーは疲労困憊。終了間際にはレフェリーがストプのタイミングを探る。そしてこの回が終了すると、心折られたドヘニーはギブアップ。2度目の防衛に成功したボールは、世界スーパーバンタム級4団体統一王者井上尚弥(大橋)=29戦全勝(26KO)=選手との対戦が期待される。

セミファイナル。WBAインターナショナル・スーパーフライ級王座決定10回戦。WBA世界同級15位ジャック・ターナー(英)=10戦全勝(9KO)=と、元EBU欧州バンタム級王者ライアン・ファラーグ(英)=23勝(6KO)5敗=の一戦は、ターナーが2回41秒TKO勝ちで新王者。

初回終了間際、ファラーグをコーナーに追い込み左右フックの連打を叩き込んだターナーは、第2ラウンド、野性味あふれる左フックからの連打でファラーグをロープ際に追い込み、さらに強烈な左フックをヒット。ファラーグがキャンバスへ崩れ落ちると、スティーブ・グレイ(英)主審は即座に試合をストップ。

23歳、英国期待のスーパーフライ級新星ターナーの今後に注目。

WBCインターナショナル・シルバー・バンタム級王座12回戦。元WBC世界フライ級王者でWBC世界バンタム級4位、WBO5位、IBF11位にランクされるチャーリー・エドワーズ(英)=20勝(7KO)1敗1NC=が、WBC世界同級15位の王者アンドリュー・カイン(英)=13勝(12KO)1敗=に挑んだ一戦は、カインが12回判定勝ち。

初回、サークリングしながらジャブを伸ばすエドワーズはカインの右で、左前頭部をカット。2回以降、足を使い動きまくるエドワーズを追うカインだが、なかなか手が出ず、両者のパンチが交錯するシーンが極端に少ないまま、試合はラウンドを重ねて行った。

終盤になっても流れは変わらず、9回終了間際には動き続けるエドワーズに対し、カインがバックスッテプを踏んで誘う始末。10回以降、両者の手数は少しばかり増えたが、試合終了ゴングまで鬼ごっこの様相は変わらなかった。スコアは116-112、115-114カインと、115-113エドワーズのスプリット。

WBAインターコンチネンタル・ライト級タイトルマッチ10回戦。王者でWBC世界ライト級10位、WBA、IBF14位ハディエル・エレーラ(キューバ)=16戦全勝(14KO)=に、元WBCラテン・スーパーフェザー級王者ホセ・マシアス・エンリケス(メキシコ)=21勝(8KO)3敗2分=が挑んだ一戦は、エレーラが7回2分31秒TKO勝ち。

序盤からスピードある動きと速いコンビネーションでエンリケスを追ったエレーラは、時折振るうエンリケスの右と、これまでKOされた事がないタフネスの前にもたつきながらも、第7ラウンド、エレーラのパンチにより左目上をカットしたメキシカンがドクターチェックを受けた後、連打で攻め込みレフェリーストップを呼び込んだ。