寺地拳四朗(BMB)=25勝(16KO)1敗=選手が王者に君臨するWBA世界フライ級に暫定王者が誕生する。WBAが挑戦者決定戦として指令していた、同級1位ヤンキエル・リベラ(プエルトリコ)=7戦全勝(3KO)=と、同級2位アンジェリーノ・コルドバ(ベネズエラ)=19勝(12KO)無敗1分1NC=の一戦は、暫定王座決定戦として8月23日(日本時間24日)に米・フロリダ州オーランドのカリビ・ロイヤル・オーランドで開催される事が決定。

プロモーターは人気YouTuberのクルーザー級ファイター、ジェイク・ポール(米)=11勝(7KO)1敗=が主宰する、モスト・バリュアブル・プロモーション(MVP)で、放映はDAZN。

Yankiel Rivera

東京オリンピックのプエルトリコ代表リベラは、2022年9月のデビューからエディ・ハーンのマッチルーム・ボクシングとプロモート契約を締結。昨年は3試合を戦ったが、12月7日(日本時間8日)にプエルトリコ・サンファンで行われた、アンヘル・ゴンザレス(米)=14勝(7KO)1敗=戦で4回TKO勝利を飾った後は、リングから遠ざかっている。

ハーンはリベラvsコルドバをWBAに対し世界同級暫定王座決定戦として承認するよう求めていたが、これは承認されず、両者の対戦は3月開催のマッチルーム・ボクシング興行で対戦決定が報じられたが実現せず、その後、膠着状態となっていた。

そんな中、リベラがマッチルーム・ボクシングから離脱。MVPと4試合のプロモート契約を締結した。MVPはすぐに試合の開催に動き、暫定王座決定戦の承認取り付けに成功。試合を待ち望んでいたコルドバにも異存はなく、今月10日(日本時間11日)には対戦契約に署名していた。

Angelino Cordova

コルドバは、昨年3月30日(日本時間31日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、フリオ・セサール・マルティネス(メキシコ)=20勝(15KO)4敗3NC=が保持していた、WBC世界フライ級王座に挑戦。大いに善戦したが112-114、112-114、113-113の判定で敗れた。

しかし試合後、マルティネスがネバダ州コミッションによるドーピング検査で、S5利尿剤とその他のマスキング剤が検出された事により、試合結果はノーコンテストに変更され、コルドバは無敗記録を維持。

WBC王座も保持する寺地選手は7月30日に横浜BUNTAIで、WBO2位、WBA3位、WBC4位ランクされるリカルド・サンドバル(米)=26勝(18KO)2敗=の挑戦を受ける事が決まっており、暫定王座設置の正当な理由になる根拠はない。

しかし、最近、復活に拍車をかけている暫定王者の承認は留まる事を知らず、今後は全階級に設置される事は時間の問題。スーパー、レギュラー、暫定+休養の最大4人が世界王者として認定される時代がやって来る。

Jamaine Ortiz vs Steve Claggett

同日の興行では、WBA世界スーパーライト級11位、IBF12位、WBC14位ジャメイン・オルティス(米)=19勝(9KO)2敗1分=と、WBC世界同級13位スティーブ・クラゲット(カナダ)=39勝(27KO)8敗2分=10回戦も行なわれる。

29歳のオルティスは2022年10月に引退したワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に12回判定で敗れ初黒星を喫したが、大いに善戦し名前を上げた。昨年2月8日(日本時間9日)には米・ラスベガスで、WBO世界スーパーライト級王者テオフィモ・ロペス(米)=22勝(13KO)1敗=に挑戦。巧いボクシングでロペスの強打を空転させたが、小差の判定(113-115、113-115、111-117)で敗れた。

36歳のベテラン、クラゲットは昨年6月29日(日本時間30日)に米・フロリダ州マイアミで世界初挑戦。テオフィモ・ロペスの持つ世界王座に挑み、12回大差の判定で敗れたが、KOを期待されたロペスに見せ場を作る事を許さなかった。