6月21日(日本時間22日)、英・バーミンガムのbpパルス・ライブ・アリーナで開催された、マッチルーム・ボクシング興行のメインイベント。WBC世界フライ級暫定タイトルマッチ。王者ガラル・ヤファイ(英)=9戦全勝(7KO)=に、元WBO、IBF世界ミニマム級王者で同級1位フランシスコ・”チワワ”・ロドリゲスJr(メキシコ)=39勝(27KO)6敗1分1NC=が挑んだ指名戦は、ロドリゲスJrが判定勝ち。

初回、ロドリゲスJrはサウスポーのヤファイ左アッパーを突きあげ、右ストレート、右ボディアッパーと打ち込み積極的にスタート。しかし、ヤファイも打ち合いは望むところで右フック、左ストレートで応戦。しかし、ロドリゲスJrの左アッパーが決まるとヤファイはガックリと腰を落とした。

2回、サウスポーへのスイッチを織り交ぜ、ロドリゲスJrは多彩なパンチでヤファイに迫る。ヤファイも応戦するが、ロドリゲスJrは左右アッパー、左右フックで攻勢。偶然のバッティングによりヤファイは左目上をカット。

3回、ヤファイが手数を増やし、押し込んで左ストレート、右フック。しかし、ロドリゲスJrは左アッパーから右ストレートをヒット。サウスポースタイルからのワン・ツーも決めた。

Yafai vs. Rodriguez

4回、体格で勝るロドリゲスJrは押し込んで左右アッパー、離れては右ストレート。しかし、ヤファイも左ストレート、フックをヒット。5回、両者手数を出し合い打ち合う展開が続く。ロドリゲスJrは多彩なパンチで揺さぶり、ヤファイは左ストレート、右フックを返す。

6回、ヤファイが盛り返し、左右ボディから右ストレート。だが、ロドリゲスJrも譲らない。ラウンド終盤、両者激しく打ち合った。7回、ロドリゲスJrは開始からヤファイに迫る、左ボディ、左フックをヒット。右フックでヤファイの膝が揺れ、大きく後退。

8回、ロドリゲスJrの動きは落ちず、旺盛な手数で前進。左アッパーから右ストレートを決め、右ボディアッパー。押し込まれながらも応戦ずるヤファイだが、疲労の色は隠せずパンチのスピードも落ちた。

9回、開始早々両者にドクターチェックが入る。立て直そうと前に出るヤファイだが、ロドリゲスJrのストレート連打からの左右アッパー、フックを喰いよろよろと後退。追い込まれる。10回、ロドリゲスJrの左フックでヤファイはグラり。ロドリゲスJrは多彩な連打からボディに繋げ、ヤファイに迫り優勢。

11回、ロドリゲスJrのスタミナは衰えず、スピードある左右ストレートから内外自在の連打で攻勢。ヤファイは苦しい。12回、開始早々、ロドリゲスJrの右フックからの連打でヤファイはついにダウン。ロドリゲスJrの追撃を足と懸命なクリンチでしのいだヤファイは、何とか試合終了ゴングを聞き王者のプライドを見せた。好ファイト。

公式スコアはケビン・パーカー(英)119-108、デヴィッド・ビロケルコヴェック(カナダ)119-108、クリス・テレス(米)118-109。

ここ数年間フライ級リミットで戦っていなかったロドリゲスJrは、戦前不安を感じさせたが、初回から試合終了まで動きは衰えず、旺盛な手数、スピードある多彩なパンチでヤファイを圧倒。3度目の正直で、暫定ながら2階級制覇に成功した。

Francisco Rodriguez Jr

東京五輪フライ級金メダリストのヤファイは、昨年11月30日(日本時間12月1日)に英・バーミンガムのリゾート・ワールド・アリーナで行われた、WBC世界フライ級暫定王座決定戦で、元IBF世界同級王者で3位にランクされていたサニー・エドワーズ(英)=21勝(4KO)2敗=を、一方的に打ち破り6回TKO勝ちし獲得した王座の初防衛に失敗。

エドワーズ戦では初回から強引に打って出てエドワーズの良さを殺したヤファイだが、この日のロドリゲスJrは、エドワーズ戦のヤファイのように積極的にスタート。忙しい試合展開となり中盤以降、ヤファイは完全に失速。ロドリゲスJrがプロでのキャリアの違いを見せつけた。

WBAインターナショナル・スーパーバンタム級王座決定10回戦。WBA世界同級6位ピーター・マグレイル(英)=11勝(6KO)1敗=と、WBO世界同級13位イオヌート・バルタ(ルーマニア)=17勝(3KO)5敗1分=の一戦は、マグレイルが判定勝ちで王座獲得。スコアはレシェク・ヤンコヴィアク(ポーランド)97-93、オレナ・ポビバイロ(ベルギー)97-93でマグレイルと、ボブ・ウィリアムズ95-95の2-0。