9月11日(日本時間12日)に米・ラスベガスで開催されるカネロvsクロフォードのファイトウィーク・カードのメインイベントで対戦が発表されていた、WBA世界ヘビー級1位マイケル・ハンター(米)=24勝(17KO)1敗2分=と、WBA世界同級6位ジャレル・ミラー(米)=26勝(22KO)1敗2分=の10回戦は中止が決定。
ハンターはドン・キングと2024年2月に3年契約を締結。ドン・キング・プロダクションはWBA世界ヘビー級レギュラー王者クラフト・プーレフ(ブルガリア)=32勝(14KO)3敗=と、ハンターによる指名戦入札で、110万ドル(約1億6千30万円)を提示し落札に成功。8月23日(日本時間24日)に米・フロリダ、ラスベガス、オハイオ、ペンシルベニアのいずれかでの開催を表明していた。
しかし、プーレフとエピック・スポーツ&エンターテインメントは、WBAに対し規則と規程の解釈変更を申し立てを申請。WBAはこれを却下したが、この問題は訴訟にまで発展し時間が経過。プーレフは準備が整わないとして、キングが予定していた8月のハンター戦開催は困難な状況となり、ハンターはミラーとの対戦に舵を切った。
自分の知らない所でハンターvsミラーが発表された事で、キングは激怒。試合をプロモートするサウジアラビアの企業SELAと、TKOボクシング(UFCのホワイトCEO、WWEのニック・カーン会長、サウジアラビアのボクシング・フィナンシャーのトゥルキ・アラルシク大臣が今年初めに設立したベンチャー企業)が運営する、TKOグループ・ホールディングス社に対し、営業停止命令を申し立て、プーレフとハンターの指名戦を、10月4日(日本時間5日)に米フロリダ州マイアミで開催する事を発表していた。
ミラーは2020年6月に米・ラスベガスで予定されていたジェリー・フォレスト(米)戦を前にした薬物検査で陽性が検出され、ネバダ州コミッションから出場停止処分を受けた過去がある。ネバダ州コミッションは試合30日前、15日前、3日前にクリーンな薬物検査を義務づけているが、今回ミラーは検査を行っていない事も明らかになっており、全くおそまつな中止となったが、今度ばかりはキングに分があった。