2月16日(日本時間17日)にメキシコ・オアハカで開催された、IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ。前王者で同級7位のシベナティ・ノンティンガ(南ア)=12勝(9KO)1敗=が、王者エイドリアン・クリエル(メキシコ)=24勝(5KO)4敗1分=に挑んだダイレクトリマッチは、大激戦の末にノンティンガが10回44秒TKO勝ち。

この試合のプロモーターであるマッチルーム・ボクシングのエディ・ハーンは、ノンティンガの次の対戦相手に前IBF世界フライ級王者サニー・エドワーズ(英)=20勝(4KO)1敗=を指名。「エドワーズの2階級制覇を賭けた戦いはビッグファイトになる」と語った。エドワーズも、「新しいチャレンジに興味がある」と階級を下げての2階級制覇に乗り出す構えを見せている。

約1万人の観衆を集めて行われたクリエルの凱旋防衛戦は、前戦で右オーバーハンド一発でKO負けを喫したノンティンガが、左ガードを高く上げ前傾姿勢で至近距離での戦いを選択。序盤はクリエルの左ボディ、右アッパーが次々と決まり、ノンティンガは苦闘を強いられた。

9回までのスコアは、アレハンドロ・ロペス(メキシコ)87-83、ヴァンサン・デュパ(フランス)86-84でクリエルと、ディオン・ドワルト(南ア)85-85。昔ながらの一人の中立国ジャッジ・スタイルで行われた採点は、南アフリカのジャッジもイーブンとし、2人がクリエルの優勢だった。7回、ノンティンガはバッティングで減点1。

試合は9回終了間際、ノンティンガの左フックでクリエルはグラリ。続く第10ラウンド、すっかり注意力が散漫になったクリエルの一瞬の隙を付き、左フックでチャンスを作ったノンティンガが、一気の連打でスタンディングダウンを奪うと、再開後、怒涛の連打で猛攻。無防備となったクリエルをストップ。大逆転KOとなった。

ノンティンガのマネジャー&トレーナーのコリン・ネイサンは、「ゲームプラン通リに戦えた」と話し、前半、接近戦を選択し、クリエルの疲労を待ちKOパンチを打ち込むのは作戦通りで、それは終盤になる事を予言していた。

「これは私のキャリアの中でもハイライトである」と語ったノンティンガは、世界王座統一への野望もある。ハーンが次にマッチアップするのは、エドワーズなのか、王座統一戦になるのか。指名挑戦権を獲得したクリスチャン・アラネタ(フィリピン)=24勝(19KO)2敗=との対戦期限もあり、次戦が注目される。