昨年12月31日に東京・大田区総合体育館で開催が決りながら、急遽中止となっていた、WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ。王者フェルナンド・”プーマ”・マルティネス(アルゼンチン)=17戦全勝(9KO)=に、前王者で、現在6位にランクされる井岡一翔(志成)=31勝(16KO)3敗1分=選手が挑むタイトル戦は、3月末の開催を目指し交渉が進められている。

マルティネスは日本到着後に体調を崩し、26日の公開練習を37・8度の発熱を理由にドタキャン。29日の調印式、記者会見も「今日はコンディションを整えたい」との要望で欠席。無事に計量を終えられるのか、試合開催へ向け暗澹が立ち込めていたが、30日の前日計量開始直前になり、マルティネスが25日にインフルエンザに感染した事が原因として、試合のキャンセルが発表される異例の事態となっていた。

突然の中止発表に井岡選手は戸惑いながらも、「この状況を受け入れ、先を見据えていく。楽しみにしていただいたみなさんに本当に申し訳ない気持ち」と謝罪。試合が出来ない悔しさをにじませたが、マルティネスを責める事は一切なかった。

予期せぬアクシデントにより試合は中止となったが、両陣営ともに対戦を希望。井岡陣営は2~3月頃の対戦実現を目指す考えを示してた。

マルティネスはアルゼンチン・コルドバでトレーニングキャンプを開始し、井岡戦に備える。スパーリングパートナーには、WBO世界同級3位フランシスコ・”チワワ”・ロドリゲスJr(メキシコ)=39勝(27KO)6敗1分1NC=、IBF世界フライ級1位フェリックス・アルバラード(ニカラグア)=42勝(35KO)4敗=らの招聘を希望している。

井岡選手は昨年大晦日の試合会場で、「来年必ず世界チャンピオンになる姿をみなさんにお見せするので、楽しみにしていてください」と、昨年7月7日に東京・両国国技館で対戦し、12回判定で敗れ世界王座を奪われたマルティネスへの雪辱を約束。ボクシング人生を賭けたリベンジマッチへの強い決意をみなぎらせている。

仕切り直しの時間が両選手にどう影響するか。正式決定が待たれます。