2023年7月25日に東京・有明アリーナで井上尚弥(大橋)=28戦全勝(25KO)=選手に8回TKOで敗れ、WBC&WBO世界スパーバンタム級王座を失った、スティーブン・フルトン(米)=22勝(8KO)1敗=が、2月1日(日本時間2日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで決まっている、WBC世界フェザー級王者ブランドン・フィゲロア(米)=25勝(19KO)1敗1分=との対戦を前に決意を表明。

WBO世界スーパーバンタム級王者だったフルトンは、2021年11月27日(日本時間28日)に米・ラスベガスのパークMGMで、WBC世界同級王座を保持していたフィゲロアに116-112、116-112、114-114の判定勝ちを収めているが、「初戦の評価はBだ。2ラウンド以降は疲れていた。ウェイト調整もきつかった」と振り返り、「階級を上げての再戦はお互いにとってプラスになるだろう。だけど僕は強い。多くの人はそれに気づいていない」

「彼(フィゲロア)は喧嘩屋だけど、僕はボクサーだ。あの試合で僕は何でもできることを示した」と言うフルトンは、フィゲロアとの再戦を前に、IBF世界ウェルター級王者ジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=33勝(29KO)無敗1NC=の実父で、名トレーナーの誉れ高いデレク・“ボジー”・エニスをチームに招聘。

「ボジーがいることで、僕の試合にプラスになる。彼は違う目を持っている。僕には本当に強いコーナーがあるから助かる。フィゲロアは頭の動きとか、もう少しボクシングをやろうとか、新しいことに取り組もうとしているのがわかる。だけど、WBCのベルトが欲しい。だから再戦が実現したんだ。コーナーの言うことを聞いて、言われたことをやるだけだ。自分のディフェンスを信じて戦うよ」

しかし、初戦後のリング上でジャッジの判定に激しく不快感を示し、フルトンに対し「本当に自分が勝ったと思ったのか?」と何度も尋ねたフィゲロアは、「フルトンを倒し、井上尚弥を待つ!」と、雪辱への強い意志を顕にしている。

フィゲロアはフルトンに敗れると、すぐにフェザー級に転向。2022年7月9日(日本時間10日)に米・テキサス州サンアントニオのアラモ・ドームで行われた、再起&フェザー級転向第一戦では、フルトンがフェザー級転向初戦でダウンを奪われ、苦闘の末にスプリットの判定で勝利した、カルロス・カストロ(米)=30勝(14KO)4敗=に6回TKO勝ち。

昨年3月4日(日本時間5日)には米・カリフォルニア州オンタリオのトヨタ・アリーナで、マーク・マグサヨ(比)=26勝(17KO)2敗=を12回大差の判定で破り、WBC世界フェザー級暫定王座を獲得。試合間隔が開いたが、今年に入り5月4日(日本時間5日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、元世界王者ジェシー・マグダレノ(米)=29勝(18KO)3敗=に9回KO勝ち。

その後、正規王者に昇格しフルトンの挑戦を受ける立場になったフィゲロアは、「今がピーク」と、この階級でキャリア最高潮にある事を認めている。ファン、関係者の間では、フェザー級でのキャリアと体格的優位を理由に、フィゲロアがフルトンに雪辱を果たすとの見方も多い。

フルトンの勝利には、ディフェンス+@が必要と思われるが、果たしてどう戦うか。注目の一戦です。