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WBC世界バンタム級挑戦者決定戦。同級2位那須川天心(帝拳)=7勝(2KO)1敗=vs元世界2階級制覇王者・同級1位ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)=45勝(28KO)4敗=。4月11日、東京・両国国技館。帝拳プロモーション興行。観衆=8500人。

Juan Francisco Estrada

35歳のエストラーダは、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)とは3度戦い2勝1敗。2024年6月にはジェシー・ロドリゲス(米)からダウンを奪うもキャリア初のKO負けを喫したが、階級を上げ世界3階級制覇を目指す事を選択。しかし、試合間隔が開いている事で、力の衰えも心配される。

Tenshin Nasukawa

那須川選手は昨年11月24日にトヨタ・アリーナ東京で行われたWBC世界バンタム級王座決定戦で、井上拓真(大橋)=21勝(5KO)2敗=選手に判定負けで初黒星。再起戦でビッグネームのエストラーダと戦う事になった。ここで負ければ後がないだけに気合が入る。退路を断った追い込まれた状況の中、どんなボクシングを見せるのか注目された。

Jimmy Lennon, Jr

米国へはDAZNが配信。ジミー・レノンJrがリングアナウンスを行った。

Juan Francisco Estrada

エストラーダはロドリゲスに敗れた後、長年コンビを組んできたトレーナーのアルフレッド・カバジェロを解任。那須川選手はキック時代に指導を受けた、帝拳ジムOBの葛西裕一氏とコンビを組んだ。

Tenshin Nasukawa
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Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada

試合開始。那須川選手はジャブを有効に使い、距離をコントロール。エストラーダは右ストレートを伸ばし突破口を開こうと試みる。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada

那須川選手はエストラーダの引き際に左ストレートを放ち、左ボディアッパーを有効に使った。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
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エストラーダは那須川選手のスピードある動きに苦戦の様相。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada

右ストレートを打ち込み距離を詰めるエストラーダ。しかし、打ち終わりにバランスを崩すシーンが度々で、衰えを感じさせた。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada

右ストレートから入り、左ボディからアッパーと速いパンチで那須川選手を脅かすエストラーダだが、那須川選手はエストラーダの引きに合わせ、パンチを送りこみペースは渡さない。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
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4回終了時の公開スコアは、39-37、38-38、38-38でジャッジ1人が那須川選手を支持。会場で観る限りペースを掌握していたのは那須川選手で、もっと差が付いていると思われた。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada

第6ラウンド、エストラーダが倒れ那須川選手は左手を挙げる。那須川選手の左ボディアッパーが入っていたかとも思われたが、偶然のバッティングとして試合はすぐに再開。激しい倒れ方だっただけにバッティングであれば、エストラーダがアピールすればもっと休めたはずだが。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada

この日の那須川選手は気を抜く場面がなく戦いに集中。左を上下に散らし、右アッパーを突き上げる等メリハリある攻撃でリードを広げて行く。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
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エストラーダは時折、速い右ストレート、強い左フックで那須川選手を脅かすが、那須川選手はすぐに打ち返し譲らない。流れは変わらずエストラーダは徐々に追い込まれて行った。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada

8回終了時の公開スコアは、79-73、78-74、77-75でいずれも那須川選手がリード。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada

元世界2階級制覇王者は何とか反撃の突破口を掴もうと試みるが、那須川選手は次の一撃を許さず攻撃の芽を摘むんだ。那須川選手のペースは衰えず、エストラーダはジリ貧となる。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
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Michael Griffin

マイケル・グリフィン(カナダ)主審が、第9ラウンド開始を告げようとするその時、赤コーナーではエストラーダがうつむき加減で陣営と会話。試合の続行を諦めた。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada

那須川選手のパンチで肋骨を痛めたエストラーダは、「骨折なんじゃないかぐらいの痛みがあった。呼吸をするたびに痛みを伴っていた」という事で、試合後、救急車で病院に直行した。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada

グリフィン主審から右手を上げられた那須川選手の頬を涙が伝う。この試合に賭けた想いが偲ばれた。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada

9回までの公式スコアはケビン・スコット(米)89-82、ダニエル・ヴァン・デ・ヴィーレ(ベルギー)88-83、ジューン・ベ・リム(韓国)87-84で、いずれも那須川選手がリード。5回以降はエストラーダを圧倒していた。

Tenshin Nasukawa vs. Juan Francisco Estrada
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WBC世界バンタム級王座への挑戦権を獲得した那須川選手は、WBCマウリシオ・スライマン会長の祝福を受ける。5月2日に東京ドームで行われる、井上拓真vs井岡一翔の勝者へ挑戦する事になる。

Tenshin Nasukawa

試合前、初めて怖いという経験を味わった那須川選手は、「勝つってこんなにうれしいんですね。みんなに支えられて復活できた」と語り、「エストラーダに強くしてもらった」と、この一戦に賭けて来た想いを伝えた。

井上選手との試合では初回、2回と好スタートを切った後、自滅して行ったような感があったが、この夜は集中力を切らさず必死さが垣間見えた。技術的にも重心が安定し、パンチにも重厚感が感じられ、十分世界に通用するものを見せてくれた。

そして勝者は、「これでリベンジの切符をちゃんとつかんだので、きっちりリベンジに向かいたい」と、世界再挑戦への思いを語り、「ひたすら拓真選手が勝つことを願って、てるてる坊主を作って毎日祈りたい」と、負けん気の強さを見せている。

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