1月25日、フィリピン・イリガンシティのパブリック・プラザで開催された、フィリピン・スーパーバンタム級王座決定12回戦。元IBF世界スーパーフライ級王者で、現在、WBA世界バンタム級8位、IBF世界スーパーバンタム級10位にランクされるジェルウィン・アンカハス(比)=35勝(23KO)4敗2分=と、元世界挑戦者のリッチー・メプラナム(フィリピン)=38勝(12KO)9敗1分=の一戦は、アンカハスが2回KO勝ちで新王者。

サウスポー同士の対戦は、近い距離での打撃戦を展開。ジャブを突き押し込むアンカハスに対し、メプラナムも左右ボディから右フックを返したが、接近戦でアンカハスの右アッパーがメプラナムのボディを襲うと、メプラナムはダウン。そのまま立てず、テンカウントを聞いた。

33歳のアンカハスは2016年9月から2022年2月の間、IBF世界スーパーフライ級王座に君臨。9度の防衛に成功したが、フェルナンド・”プーマ”・マルティネス(アルゼンチン)=17戦全勝(9KO)=に12回判定で敗れ王座から陥落。2022年10月8日(日本時間9日)に米・カリフォルニア州カーソンのディニティ・ヘルス・スポーツ・パークで行われた、マルティネスとのダイレクトリマッチに敗れると、バンタム級に転向。

昨年2月24日に東京・両国国技館で、井上拓真(大橋)=20勝(5KO)2敗=選手が保持していたWBA世界バンタム級王座に挑戦したが、9回、井上選手の右ボディアッパーで悶絶のテンカウントKO負け。9月22日にフィリピン・メトロマニラのマンダルヨン・シティ・カレッジで行われた再起戦は、56.8キロのフェザー級でリングに上がり、スクプラサード・ポンピタック(タイ)=30勝(20KO)21敗=から初回にダウンを奪い、5回失格勝ち。

メプラナム戦はスーパーバンタム級でどれほどの動きを見せられるかのテストマッチとして位置づけられており、勝利したアンカハスに対し、MPプロモーションのショーン・ギボンズ社長は、アンカハスを米・ラスベガスでトレーニングさせ、再び世界王座を狙わせる意向を明らかにしている。