1月25日(日本時間26日)、米・ラスベガスのザ・コスモポリタン、ザ・チェルシーで開催された、マッチルーム・ボクシング興行のセミファイナル。WBA中南米大陸&IBFインターナショナル・ライト級タイトルマッチ10回戦。王者でWBA世界同級4位、IBF5位、WBC6位、WBO15位にランクされるアンディ・クルス(キューバ)=4戦全勝(2KO)=に、WBA世界同級12位オマール・サルシド(メキシコ)=20勝(14KO)1敗=が挑戦した一戦は、クルスが判定勝ち。

東京五輪ライト級金メダリストからプロ入りしたクルスは、初めてラスベガスのリング登場。対するサルシドは、10月に元WBA世界スーパーフェザー級暫定王者クリス・コルバート(米)=17勝(6KO)3敗=を、9回逆転TKOで破り世界ランキング入りしたばかり。

初回、クルスは動きながら速いジャブ。サルシドはシャープな左フックを合わせた。2回、ジワリと前進、距離を詰めるサルシドに対し、クルスは早いコンビネーションで迎撃。3回、前に出るサルシドは左ボディから突破口を開こうとするが、クルスは右カウンターを軸に連打。

4回、クルスのスピードある連打がサルシドの前進を抑える。5回、クルスが多彩な連打でリードするが、終盤、サルシドの左フックがクリーンヒット。6回、右目下を腫らしながらサルシドは前進。クルスは左アッパー、右ストレート。7回、前に出るサルシドは右ストレートから左アッパーを放つが、クルスの右カウンターが決まる。

8回、クルスはサウスポーへのスイッチを織り交ぜ、サルシドを幻惑。的を絞らせず、ジャブ、右ストレート。9回、前に出るサルシドは攻め口を見いだせず、出鼻にクルスのジャブ、右ストレートが決まる。最終ラウンド、ポイントでリードするクルスはジャブを放ち安全運転。しかし、ラスト30秒、連打でサルシドを追い込み終了ゴング。

スコアは99-91、98-92、98-92。スピードとテクニックでサルシドを寄せ付けなかったクルスは、エディ・ハーンの手により同級5位マキシ・ヒューズ(英)=28勝(6KO)7敗2分=との、WBA世界同級暫定王座決定戦の開催が噂されている。ライト級トップファイターとの対戦が待たれます。

元2階級制覇王者ペドラザvs16戦全勝(15KO)メルカド

スーパーライト級10回戦。元2階級制覇王者ホセ・ペドラザ(プエルトリコ)=29勝(14KO)6敗1分=が、エルネスト・”ティト”・メルカド(米)=16戦全勝(15KO)=とグローブを交えた一戦は、メルカドが4回2分8秒TKO勝ち。

35歳のペドラザは2022年以降、ホセ・カルロス・ラミレスに12回判定負け。リチャード・コミーとは引き分けたが、アーノルド・バルボサJrに10回判定負け、キーショーン・デービスには6回TKO負けと、2021年6月以降白星がない。一方、23歳の新鋭メルカドは、エディ・ハーンのマッチルーム・ボクシングとマルチ契約を締結しての第一戦。

初回、足を使い上体を揺らすペドラザに対し、メルカドはどっしりとした構えから、左フックを上下に飛ばし、右ストレート。2回、ペドラザは動きながら飛び込む機会を伺うが、手数は少ない。メルカドは左フックから右ストレートを狙う。

3回、メルカドは足を使いながらジャブ、右ボディストレートを突き、左フック。揺さぶりをかけるペドラザは、動くものの攻め口を見いだせない。迎えた第4ラウンド、メルカドの右ストレートがペドラザのテンプルを捕らえると、ペドラザは吹き飛ぶようにダウン。何とか立ち上がったが、ロバート・ホイル(米)主審は試合をストップ。

ペドラザはデービス戦に続きキャリア2度目のKO敗戦。若いメルカドを幻惑させようとしたがかなわず、一撃で仕留められた。メルカドはペドラザの動きに惑わされず、落ち着いたボクシングを展開。見事なTKO勝利でキャリアのステップアップに成功。今後が大いに楽しみです。