50歳の元IBF、WBO世界ヘビー級&WBAスーパー王者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)=64勝(53KO)5敗=が、45歳9ヶ月でWBA・IBF世界ヘビー級王座を獲得したジョージ・フォアマン(米)の記録更新を目指し、ドイツでWBC世界ヘビー級王者アギット・カバエル(ドイツ)=27戦全勝(19KO)=に挑戦する計画が進められている。
クリチコは2017年8月に現役引退を表明。その後、何度かリング復帰の噂があったが、ウクライナがロシアの侵攻を受けると、2022年2月24日、兄のビタリと共に「武器を手に取り戦う」と徹底抗戦を宣言。ロシアとの抗争は長引いているが、クリチコは常にリング復帰がささやかれていた。

サウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣は、2025年の”リヤド・シーズン”の構想の中で、2024年12月21日(日本時間22日)にサウジアラビア・リヤドで行われた、WBC、WBO世界ヘビー級&WBAスーパー王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)=25戦全勝(16KO)=と、前WBC王者タイソン・フューリー(英)=35勝(24KO)2敗1分=の再戦で、フューリーが勝てば、クリチコとの再戦を計画。「フォアマンの記録を破るチャンスを与えたい」と断言していた。
しかし、フューリーはウシクに連敗。フューリーvsクリチコ2は幻となったが、今年3月25日に50歳の誕生日を迎えたクリチコは、WBCが指令したウシクvsカバエルのアンダーカードでリング復帰する事が5月末に伝えられた。
だが、ウシクは「次世代の挑戦者たちにタイトルを争う機会を与えたい」として、保持する3団体の世界王座を返上。これによりカバエルが暫定王者から正規王者に昇格すると、カバエルvsクリチコのドイツ開催が急浮上。

長年クリチコのマネジャーを務めるベルント・ボーエンテは、「カバエルとの対戦こそ、クリチコの唯一現実的な復帰の選択肢である」と語り、クリチコ戦を問われたカバエルも、50歳のクリチコの力には疑念を抱きながらも、「どんな挑戦にも備えている」と対戦を否定せず、カバエルのマネージャー、スペンサー・ブラウンは、両者の試合は「歴史的な一戦」になるだろうと、対戦計画が進展中であることを認めている。
クリチコは2017年4月に行われたアンソニー・ジョシュア(英)=29勝(26KO)4敗=戦で、11回TKO負けを喫したのを最後に引退。唯一獲得できなかったWBC王座獲得のチャンスが実現するのかは、WBCがこの試合を承認するのかも鍵を握っている。
しかし、WBCはプロボクシングキャリア僅か1戦(1KO)で、ボクシングの試合は12年ぶりとなる元キックボクシング王者リコ・ヴァーホーベン(オランダ)とウシクの対戦を世界戦と承認しており、待ったをかける可能性は低いだろう。
