世界スーパーバンタム級4団体王座統一戦。WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=25戦全勝(22KO)=vs.IBF&WBAスーパー王者マーロン・タパレス(フィリピン)=37勝(19KO)3敗=。12月26日、東京・有明アリーナ。

ホセ・オリバー・ゴメス(パナマ)WBA立会人。

マイケル・ジョージ(米)WBC立会人。

ベン・キルティ(オーストラリア)IBF立会人。

レオン・パノンシージョ(米・タイ在住)WBO立会人。

ジミン・レノンJr(米)がリングアナウンスを務めた。

サウスポーのタパレスは重心を後ろに置く待機戦法。しかし、井上選手は左ジャブから、強い右ストレートを打ち込んだ。

第4ラウンド終了間際、井上選手の強烈な左がタパレスのボディにさく裂。

ボディを効かされたタパレスは、井上選手の追撃でダウン。

タパレスは立ち上がり、ラウンド終了ゴングを聞いた。

第5ラウンド。攻勢に出た井上選手に対し、タパレスは意を決したように打ち合いを挑んだ。

タパレスの強烈な右フックが井上選手のテンプルにヒット。しかし、井上選手はすぐに立て直し反撃。

井上選手の強打に耐えながらタパレスも奮戦。右ジャブを伸ばす。

8回、井上選手の右がタパレスを襲う。

第9ラウンド。井上選手の強い右ストレートがタパレスにヒット。奮戦するタパレスも徐々にダメージを蓄積させていった。

第10ラウンド。井上選手のワン・ツー・ストレートが顎を打ち抜くと、タパレスは膝からキャンバスへ崩れ落ちた。

タパレスは立ち上がる事が出来ず、セレスティーノ・ルイス(米)主審のテンカウントを聞いた。KOタイム10回1分2秒。

トップランクのボス、ボブ・アラムも井上選手を祝福。

第9ラウンドまでのスコアは、クレイグ・メトカーフ(カナダ)90-80、ラウル・カイズJr(米)88-82、ロビン・テイラー(米)89-81で、いずれも井上選手が大きくリードしていた。

テレンス・クロフォード(米)に次ぎ、史上二人目となる2階級での4団体王座統一を成し遂げ、世界スーパーバンタム級4団体のベルトを獲得した井上選手は、2016年以来空位となっていたリング・マガジンのベルトも獲得。

今後もスーパーバンタム級で戦う意向の井上選手の次戦は、WBCの指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)=35勝(27KO)1敗=との対戦が有力で、ネリ陣営はタパレス戦前から、来年5月に米国開催(ラスベガスの・MGMグランドが有力)で交渉が開始されている事を明かしている。しかし、東京ドームで防衛戦を行う計画もあり、その場合、過去の計量失格により、日本での試合が禁止されているネリが日本のリングに上がれるかが問題となる。

これに対し、日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内 剛 事務局長は、「永遠に活動停止ということはない。申請があれば要検討となる。ネリだからではなく誰でも、資格審査の規定に従うとライセンス取り消しは5年間、ライセンス無期限停止は3年間で再申請ができることになっている。だから、当然ネリの再申請は可能ということになると思う。世界的にいうと、永遠に日本で試合ができないというのは常識的ではない」とし、日本でのネリ戦開催に含みを持たせている。