1月25日(日本時間26日)、米・ラスベガスのザ・コスモポリタン、ザ・チェルシーで開催された、マッチルーム・ボクシング興行のメインイベント。WBC米国&WBOインターナショナル・スーパーミドル級タイトルマッチ12回戦。王者でWBO世界同級1位、WBC3位、IBF6位ディエゴ・パチェコ(米)=22戦全勝(18KO)=に、WBO世界同級13位スティーブン・ネルソン(米)=20戦全勝(16KO)=が挑んだ一戦は、パチェコが判定勝ち。スコアは117-111×3。

23歳、193センチの長身から繰り出される強打で高いKO率を誇るパチェコと、テレンス・クロフォード(米)のジムメイト、36歳のネルソンの無敗対決は、初回、パチェコはジャブを伸ばし、ネルソンは飛び込む機会を伺う静かな展開でスタート。

2回、パチェコはジャブからワン・ツーを放ち、接近するネルソンに右アッパーを合わせる。3回、ネルソンは容易に飛び込めず、パチェコはジャブ、右アッパー。4回、ネルソンは上体を小刻みに振りボディジャブ、右フックを振るが思い切った攻撃はない。パチェコは右カウンターを合わせ、左フック。

5回、ロングレンジからパチェコはジャブ、右ストレート。6回、パチェコはジャブを放ち、右ストレート、アッパーを狙う。7回、低く出るネルソンにパチェコの右アッパーがタイミングよく決り出し、右ストレートもヒット。

8回、仕掛けられないネルソンにパチェコは左フックを強振し、右ストレートを打ち込む。9回、パチェコはジャブを当て、右のビッグパンチを狙う。10回、ネルソンの初弾はパチェコのバックステップに交わされ攻撃が続かない。パチェコの右ストレート、フックが決まる。

11回、リングサイドのクロフォードからの声援を受け逆転を狙うネルソンは、左右フックを振り前進しパチェコに迫る。押し込んで来るネルソンに対し、パチェコは下りながら右アッパー、左フックのカウンターを合わせた。最終ラウンド、ネルソンが仕掛け左フックを好打。パチェコは後退しながらも、右アッパー、左フックを狙った。

ネルソンが終盤に見せたアタックを、もっと早いラウンドから続けていれば、試合の流れは変わったものになったかもしれないが、パチェコの距離を潰すことが出来ないまま12回を終了。パチェコが無難な勝利を飾ったが見せ場は作れず、スーパースターとして君臨する王者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)=62勝(39KO)2敗2分=への挑戦をアピールするには、物足りない印象を残した。