7月4日(日本時間5日)、米・オハイオ州クリーブランドのウォルスタイン・センターで開催されたトップランク興行のメインイベント。WBO世界ライト級タイトルマッチは、22歳の王者アブドゥラ・メイソン(米)=20戦全勝(17KO)=に、同級6位アルバート・ベル(米)=28勝(9KO)無敗1NC=が挑戦。クリーブランド出身のメイソンの凱旋防衛戦は、1万101人の大観衆で埋まった。
最初、メイソンへの挑戦が決まっていた同級1位のジョー・コルディナ(英)=19勝(9KO)1敗=は、試合10日前になって米国入国ビザが取得できなかった事が判明。2月27日(日本時間28日)に英・カーディフのガソリンスタンド外で、凶器を用いて他人を脅し、暴行を加え容疑で起訴された事が原因だった。

急遽挑戦者に選ばれたのは同級6位アルバート・ベル(米)=28勝(9KO)無敗1NC=。IBF世界同級3位にランクされるベルは、7月18日(日本時間19日)に米・カリフォルニア州カーソンで、IBF世界同級4位のアンディ・クルス(キューバ)=6勝(3KO)1敗=と、IBF世界同級挑戦者決定戦で対戦する事が決まっていたが、これをキャンセルしての出場。
183センチの長身ベルの打たせないボクシングスタイルは崩しにくく、メイソンにとってはコルディナ以上の強敵と見られた。

リングアナウンサーはジミーレノンJr。

マーク・ネルソン(米)主審とジョン・ダガン(米)WBO立会人。

試合開始。ボディ攻撃から出発したメイソンに対し、ベルは速い右ストレートをカウンターでヒット。


身長で8センチ劣るメイソンだが、リーチではベルを3センチ上回る。しかし、メイソンのパンチは届かない。


ベルはジャブで距離を測り、すかさず右ストレートを打ち込む。ボディを狙うメイソンが低く入って来ると右アッパーカウンター。序盤から中盤まで優位に試合を運んだ。


第7ラウンド、ベルは足と上体の動きでメイソンの攻勢を交わし、右ストレート。右アッパーのカウンターも速い。しかし、メイソンは強引に手を出しベルに迫った。

鼻を傷めて呼吸が苦しくなったというベルは8回になると手数が減る。9回、メイソンはコーナーからの指示でベルのボディを徹底的に攻める。後手に回ったベルは手が出ず、試合の流れが完全に変わった。

11回、メイソンはベルのボディを攻め、すかさず顔面へ左ストレートをヒット。足を使うベルは交わすのが精一杯で手が出ず苦しい。

最終ラウンド開始を前にコーナーから「負けてるぞ!」と檄を飛ばされたメイソンは、開始ゴングと共にベルに襲い掛かる。メイソンの左ストレート、アッパー、フックの3連打がベルを捕らえると、ベルはたまらずダウン。

立ち上がり再開に応じたベルににじり寄ったメイソンが強烈な左フックを叩き付けると、ベルは顔面からキャンバスへ落下。

すぐに上体を起こしたベルだが、ネルソン主審はためらわずに試合をストップ。TKOタイム12回45秒。


メイソンが劇的なTKO勝利で初防衛に成功。

11回までのオフィシャルのスコアはフィル・ロジャース(米)107-102、パトリック・モーリー(米)107-102、ヘラルド・マルティネス(プエルトリコ)106-103で、いずれもメイソンがリードしていたが、もっと接近していたと見る向きは多い。


地元ファンの前で見事なTKO勝利を収めたメイソンは、「最高の気分だ。ゲームプランは決まっていた。ボディを攻めるつもりだった。最後はポイントを取られていると言われたので、ペースを上げて試合を決めた。彼は素晴らしい相手だ。だから、焦らずにじっくりと戦う必要があったんだ。クリーブランドのみなさん、ありがとう」とコメント。
ベルとの試合は選択防衛戦となり、メイソンは改めて指名試合に臨む事になる、1位のコルディナに米国入国許可が下りない場合は、2位のアラン・アベル・チャベス(アルゼンチン)=22戦全勝(19KO)=が繰り上がる可能性がある事を、WBOのグスタボ・オリビエリ会長が示唆しており、これが実現すれば世界中の注目を集めるだろう。
